椎間板ヘルニア|正常な椎間板とヘルニアが起こっている椎間板

 

前回のblogで椎間板への年齢の影響は、いやというほどわかったと思います。
椎間板は歳とともに柔軟性を失ってくるのですね。

 

前回の椎間板ヘルニアのお話では↓

 

そして歳を重ねると、椎間板の柔軟性の減少により、髄核(椎間板の中にある核)が萎縮することがあります。

そのため椎間板の繊維は張りを失って、簡単に裂け目ができるようになってしまうのです。
そのときの裂け方によっては放射状に避ける場合(若者でも過剰な負担によって起こる)と円状に割れる場合(年齢による変性過程で起こる)があり、最終的には椎間板の中の内容物が飛び出すことになります。

 

 

 

ゼリー状の核が、輪状の繊維の損傷により後ろに押し出されるとこれによって背骨の中を通る脊髄、もしくは背骨から出てくる神経の根元部分に障害をきたすことがあります。
これが椎間板ヘルニアによる神経障害(足のシビレ、感覚異常、筋力低下)につながるのです。

 

このようなヘルニアは腰の骨の3番/4番の間、もしくは4番/5番の間でもっともよくみられ、首では下部でみられることがあります。
でも私の臨床経験では、首のヘルニアはまれですね。首の場合、ほとんどが外傷的な要因です。
私のクライアントさんでは、走り高飛びをしていて頭から落ちてしまい、それから頸椎ヘルニアが発症した方がいました。

圧倒的に多いのは、やはり普段から身体の体重を支えている腰椎部分のヘルニアでしょう。

 
 
 
 
 

椎間板にかかるストレスはどんなものがあまり良くないのか!?

 
 

さて、歳をとると椎間板は柔軟性が低下し、固くなり、つぶれてくるのですが、どんな要素が椎間板にかかるストレスとしては大きいのでしょう?

 

 

実は、姿勢によって腰椎の椎間板にかかる圧は変化しています。
Nachemson は姿勢の違いによる腰椎3番の椎間板内圧の変化を研究しています。
下の図における数値は、立位における椎間板にかかる圧を100%として基準値にとり、姿勢変化に伴う内圧を示しています。

 

椎間板ヘルニア|姿勢によって椎間板にかかる負担の違いのグラフ

 

これによると、不良挙上(無理な体勢で起き上がる)や20kg手に持って前屈が、一番負担かかるようです。また前にかがんだり、座っている姿勢が椎間板にはきついようですね。

 

たしかに物を持ち上げることが、腰痛の原因になることは多いですよね。たとえば、77kgの体重の人が椎間板から約36㎝離れた位置で91kgの物を持ち上げたときには、椎間板には940kgの力がかかります。つまり大袈裟にいうと椎間板にかかる力は、持ち上げる重量のほぼ10倍になってしまうのです。
正しい姿勢で物を持ち上げた方が、どんなに良いかがわかりますね。
また女性より男性のほうが、背が高いのでその分だけ重心が高くなり、15〜20%腰への負荷が多くなります。

 

 

 

カイロプラクターのFarfan は椎間板破壊のメカニズムを変性(年齢による変形)と力学的影響の両方の作用によるものだと述べています。
そしてヘルニアの原因となるもっとも一般的なメカニズムは一連の回旋による損傷であると考えられています。回旋による損傷は、円周状、放射状の亀裂を作り、最終的な外傷によって椎間板の輪状の繊維がたわんでしまいます。このため、椎間板が局所的に膨隆し、完全に破裂してしまうこともあります。

 

上の図では、身体を回旋してもそんなに内圧はあがらないようにみえますが、椎間板の繊維は捻ったりするなどの回旋方向へのストレスに弱いのです。

 

 

 

 

その他、背骨を前に曲げた状態で激しい圧迫損傷を受けると椎間板の繊維が突然破裂することもありますが、このようなケースはまれで、ほとんどの場合、椎間板ヘルニアの原因は圧縮加重によるものではなく、捻転挫傷によるものと考えられています。

 

またある研究データでは、就業時間の50%以上自動車を運転している男性は、他の職業についている人に比べて、椎間板ヘルニアにかかる率が3倍も高いといいます。これは、座る姿勢で椎間板により強い圧がかかることに加えて振動が脊椎に伝わるからでしょう。
足の位置が制限されていることも椎間板ヘルニアにかかりやすくなる要因になっています。

重い荷物を持ち上げたり、押したり、引っ張り上げたり、運んだりする職業と腰椎椎間板ヘルニアの間にはあまり因果関係はないようですね。

 

 

このように、椎間板は座って腰を曲げている状態が続くと負担がかかり、また強く捻ったりすることで痛めやすいのですね。またこれは腰全般に言えますが、車やバイクで腰に振動がかかることは、骨盤や腰椎部に障害を生じることが多く、注意した方が良いでしょう。

 

次回は「椎間板ヘルニアの痛み」です。

 

 

Information

 

Written by

小菅一憲

Bachelor of Applied Science
Bachelor of Chiropractic Science
AK Practitioner

国際基準のカイロプラクター
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Thank you for reading to the end.