今日はお腹の調子が悪く、軟便が続いていた30代男性のケースを紹介します。

 

この方は、1週間前に黒い便が出て、それからこの1週間ずっと軟便が続いており、お腹の調子が悪いということでした。一日に何回かゆるい便通があるときもあるが、特にすごい腹痛はなく、食当たり、ウィルス感染など思い当たるところはないそう。何か変わったことと言えば、今月から新しい職場になり生活スタイルがガラッと変化したことだといいます。

 

 

 

胃酸分泌低下と膵臓機能障害

まず姿勢を検査すると、左肩が上がっており、左背中の筋肉(広背筋)の筋力低下が見られました。その次に消化器系(小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓、副腎)に関わる筋肉を全てチェックすると、左サイドの筋肉が全体的に筋力低下していたのです。だいぶ消化器系全体が乱れていることがわかったので、次に何がその原因になっているかを調べていくと、膵臓のリンパのポイントで全ての筋力低下が消失しており、姿勢検査での広背筋(関わる臓器=膵臓)弱化とピッタリとあったので、膵臓の機能低下が問題の一つであることがわかりました。

また胃の状態をチェックしていくと胃酸の分泌が低下している兆候(頭蓋骨の胃酸に関わる部分の障害)と、消化不良による腹部の張りが原因だろう食道部の問題がありました。これは胃が食道部に少し滑り出している状態(横隔裂孔ヘルニア)で、逆流性食道炎にもつながります。そしてお腹を触診すると、ところどころでガスが溜まっている様子がみられ、腸のスパズム(筋の緊張状態)もいくつか起きていました。また腸の洗浄、解毒作用をもつ肝臓にも固さがありました。その他生活の変化によるストレスが問題にもなるので、ストレス系の部分のチェックをすると、案の定、副腎の機能低下も顕著に見られた。

 

まずは全ての消化器系筋力低下の原因である膵臓の機能をアップするよう、リンパのポイントや血流のポイント等の刺激を行い、内分泌系の問題や胃酸と関わりのある頭骸骨の問題をしっかりと取り除きます。そして、お腹の張り(小腸・大腸)は呼吸や咳などを使ってスパズムを取り除いていきました。これらの治療と、腸や膵臓にかかわる背骨の関節の動きをつけることで大分お腹の違和感が改善されたようです。また食道裂孔ヘルニアに対して、横隔膜の部分から胃・食道部を引き下げるように呼吸とともに軽く押しながらストレッチするようにしました。

最後に副腎に対する機能アップの治療をして終了です。

サプリメントとしては、膵臓の栄養素で、ストレスがかかるときにも不足しやすい亜鉛を補いました。その他、胃酸や消化酵素の不足が考えられるので、それらをサプリメントで補うと効果的でしょう。ただ日本では胃酸や消化酵素のサプリはすぐに手に入らないので、食事中にレモンや酢の物で胃酸を補うこと、またタンパク質分解酵素を含む、パイナップルやキウイなどのフルーツをデザートに食べることを勧めました。

その日はこれらの食品はすぐに用意できなかったようですが、次の日はとても良い便が出たそうです。

 

 

今日のpoint

今回の軟便の原因は、「ストレスや食物過敏症などの背景があり、その結果胃酸の分泌低下、膵臓機能障害が起こったこと」でした〜。

今回のケースでは、お腹の調子を崩してすぐだったということでかなりの治療効果を出すことができましたが、慢性的なケースではある程度時間がかかります。またお腹の調子を崩す一番の原因を突き止めないと慢性的に繰り返すことになります。このケースにおいては、ストレスにより副腎機能が低下、膵臓に影響を及ぼしたか、糖分の摂り過ぎの食生活により膵臓疲労を起こしたか、背景に食物アレルギーがあって腸に炎症を起こして副腎機能低下を起こしたか・・・などさまざまな要素が考えられます。経過をしっかりとチェックしていくことと、必要であれば生化学検査などをする必要もあるでしょう。

今回内臓系の機能アップの治療を行っていますが、これは内臓の病的な問題に対して行っているわけではありません。内臓が疲労していたりするとちゃんとした機能を果たすことができず、問題が起こることもあるのです。とくに消化器系は、人間の栄養吸収で一番大事な部分です。軟便や便秘もいつものことと諦めたり、放置したりすると重症な問題に発展する場合があります。お腹の調子を崩したら、まずお医者さんだと思いますが、薬だけではなかなか変わってこないケースではカイロプラクティックが何かの手助けになるかもしれません。遠慮なく相談してくださいね。

 

 

K.K.

 

 ——————————————————————————————————————–

カイロプラクティックは、薬は使わず手だけで身体の治療をするアメリカ生まれのヘル
スケアです。
みなさんに知られているような筋肉骨格系の治療はもちろん、カイロの中の一つの学問
アプライドキネシオロジーでは、自律神経や内臓、ホルモン、神経、栄養のアンバラン
スをチェックし、それに対する治療を行うことができます。
アメリカではまさしくプライマリーケアとして認められ、準医師として統合医療の一翼
を担っています。

カイロプラクティックケアを希望する方 CONTACT 

麻布十番のカイロプラクティック治療院 CHIROPRATICA

———————————————————————————————————————