タンパク質は、食品の中では非常に重要なもの。
筋肉をつけたり、日常生活やトレーニングで酷使した身体の修復にも使われます。

良いタンパク質源として、必須アミノ酸をバランスよく含む食べ物は重要になりますよね。
理想的なプロテイン食品にあげられるのは、消化率の良い卵。そしてホエイや牛肉も高品質タンパク質に含まれます。

 

そこで今日は、完全なプロテイン食品と呼ばれる「卵」についてお話ししましょう。

 

 

卵はいらないところのない最高の食品

卵は、たんぱく質やカルシウム、鉄分など、ビタミンCを除くほぼ全部の栄養素が含まれています。
また、人の体内で作ることができない8種類の必須アミノ酸をバランス良く含んでいるすばらしい食品なのです。特に、卵のたんぱく質は非常に良質で、たんぱく質の栄養価を表す基準では、最も優れた食品とされています。ちなみにたんぱく質を感じで書くと「蛋白質」であり、この「蛋」という字は、中国語で「卵」を意味しているのです。

卵というとコレステロールが高いと敬遠されている人が多いのではないでしょうか?
私も、卵を食べない患者さんに話を聞くとコレステロールが気になって摂るのを控えていると言う人がほとんどです。また卵は1日に一個しか食べてはいけないと誤解している人もいます。
なんて勿体ない話でしょう。
たしかに卵を食べるとコレステロールが高くなるといわれています。卵のコレステロールは多く、卵黄中に約1.6%(全卵 100g中に400〜500mg)含まれています。しかし、卵には、コレステロールを抑える不飽和脂肪酸が多量に含まれていることから、あまりコレステロールを気にすることはないのです。それ以上に、卵に多く含まれている「レシチン」という物質は、コレステロールを除去する作用があり、「善玉コレステロール」の量を増加させ、動脈硬化の予防にも効果があります。毎日2個の卵を食べても、ほとんどの人が血液中のコレステロール値が上がらないという研究結果も出ています。

 

詳しくみていきましょう。

 

卵には、すべての必須アミノ酸が含まれており、実はいらないところのない最高の食品です。
2個の卵には12gのタンパク質が含まれており、半分強が白身で、残りが黄身にあります。

そしてこの中にはビタミンA、D、E、B1、B2、B6、フォリックアシッド(葉酸)、そしてB12の一日必要量の半分が含まれています。またミネラルでは、カルシウム、マグネシウム、カリウム、亜鉛、特に鉄も多く含まれています。その他、トレーニングやエネルギーのために不可欠なコリンやビオチンも含まれるというから、本当に優秀な食材と言えます。またこれらの栄養分はみなさんがコレステロールと言って敬遠する黄身の中にほとんどが入っているのです^^。

 

さらに、卵は不飽和脂肪酸が飽和脂肪酸の2倍含まれており、黄身はリノール酸、α-リノレン酸も含んでいます。
これらは両方とも必須脂肪酸と呼ばれ、体内では作られないため、食事から摂取しなければならないと言われているものですね^^。ちなみに1994年にボストン大の医学部が、これらの必須脂肪酸はビタミンやミネラルと同じように重要で、食事でこれらの脂肪を摂取しなければ心臓病の可能性が高くなると報告しています。

そして卵には炭水化物はほとんどなく(1g以下)、卵と一緒にオリーブ油、キャノーラ油などの不飽和脂肪酸を摂れば、食事の総脂肪量はバランスが摂れてしまうくらいなのです。
また総コレステロール値に影響を持つこれらの不飽和脂肪酸を摂取すると、コレステロールのレベルは安定し、改善します。
また後の記事で書きますが、この脂肪の摂り方にも重大なヒントが隠されています。

すごいぞ卵!

 

 

 

コレステロールの問題

さて、卵と言うとみなさんが気にしているのは、コレステロールの問題でしょう。
しかし、実は卵のコレステロールが問題になることはないのです。

卵の黄身はたしかに多くのコレステロールを含んでいます。
コレステロールにはいろいろな種類があり、よく話題にのぼるものがHDLとLDLですよね。HDLは、病気に対して防衛しようとするので善玉コレステロールと呼ばれ、LDLは、病気になるのキッカケになったりもするので悪玉コレステロールと呼ばれています。
そして、基本的にはHDL+LDL=総コレステロールと呼ばれています。

 

さてこのコレステロールについて少しお話しましょうか。

心臓の細胞も含め、すべての細胞は毎日コレステロールを作っています。コレステロールは実は悪者ではなく、身体の健康にはなくてはならない存在なのです。
たとえば、細胞の外表面はコレステロールで作られており、細胞に化学物質が出たり入ったりできるように助けています。また副腎でストレスをコントロールしたり、炎症をコントロールしたりするのにも使われ、男性ホルモンや女性ホルモンの元にもなっているので、実は大事なものなのです。

 

たしかに血中の高い総コレステロール値や低いHDLは、心臓病のリスクになりますが、だからといって食事の中にコレステロールが増えると、血中のコレステロール値が高くなるかと言うと一概にはそう言い切れません。
身体がしっかりと代謝できれば全く問題はないのです。

私たちは毎日コレステロールを代謝しています。およそ1000mgはホルモンをつくるためにコレステロールが日々使われているのです。また実は、コレステロールは体内に蓄積されるよりも代謝され、排泄されてしまうことのほうが多いとされています。

こんな話もあります。コレステロールを摂ることが少なく、体内にコレステロールが不足している場合、かえってLDLコレステロールが上昇することがあります。こういったことはコレステロールを摂るのを控えている人によくみられるのですね。
不足していると、体は足りないものを補おうとするので、こういったことが起こるとされていますが、これが本当だったら、コレステロールと言って卵を控えているのは、なんだったのでしょう。

食事中のコレステロールが問題になってくるのはほんの一握りの人で(500人に1人の割合)で、そういう人は総コレステロール値が250mg/dlをはるかに超えて、HDLが低く、LDLが高めの人です。この場合はもちろん食事のコントロールが必要になります。

 

 

さて卵の話に戻りましょう。

実は卵にはコレステロールをコントロールしてくれる物質が入っています。
卵の黄身にある重要な酵素のコレステラーゼは、コレステロールの代謝を助けてくれます。また卵の黄身に含まれるレシチンは、胆汁の働きを助けてくれるので、卵の黄身までしっかり食べることで、身体がしっかりとコレステロールをコントロールできるのですね。

注意したいのは卵の黄身を調理しすぎないということです。

このように卵は、健康的なコレステロールを維持するためにも大切な食べ物だったわけです。

 

私たちは、体重1kgあたり2〜4mgのコレステロールを吸収すると言われています。ある文献によると吸収できる量は10%に満たないそう。
この限られた吸収能力は、極端に過剰な血中コレステロールの病理的影響を最小限にしようという身体の働きかもしれません。

コレステロールを多く食べれば、身体はコレステロールをあまり作らなくなります。カラダはコレステロールをコントロールしているわけなのですね。
ちなみに低脂肪ダイエットをしていても、血中コレステロール値が高くなることがあるのはこういった理由からです。

 

問題となるのは、カラダがコレステロールをコントロールできなくなった時!なわけです。
こういう状態は、ある意味身体にコレステロールを代謝できる栄養が不足している時なのですね。

 

 

 

25個の卵を食べるエッグマン

エッグマンと呼ばれるイギリス人は、88歳の男性で25個の卵を毎日食べており、検査すると非常に健康だったと言います。心臓病の症状はおろか、体重も胆嚢の状態も異常はなく、血中総コレステロール値は150〜200mg/dlであり( 日本では220mg/dl以上が高いコレステロール値)、しかも毎日5000mgのコレステロールを摂取していたというから驚きです。

これこそコレステロールの摂取が極端に多くても、血中の総コレステロール値に必ずしも影響がないという例でしょう。


良いコレステロールを摂ること。それこそが正常なコレステロールを保つために重要なことだったのです。
そしてそれに最適なのが卵を摂ることであると言っている人もいます。

 

今日から、卵が悪者という考えはポンとゴミ箱に捨てちゃって下さい。
ちなみにこの話を聞いて、今日から卵を食べようという人は、できるだけ安い卵は買わずに、ホルモン剤・抗生剤を使用していない有機卵をとってくださいね!

 

 

K.K.

 

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カイロプラクティックは、薬は使わず手だけで身体の治療をするアメリカ生まれのヘル
スケアです。
みなさんに知られているような筋肉骨格系の治療はもちろん、カイロの中の一つの学問
アプライドキネシオロジーでは、自律神経や内臓、ホルモン、神経、栄養のアンバラン
スをチェックし、それに対する治療を行うことができます。
アメリカではまさしくプライマリーケアとして認められ、準医師として統合医療の一翼
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