今日は、人がタンパク質を食べて、そこからカラダを作るにはどういった流れがあるのか見ていきましょう!
大事な話なので、しっかり読んでくださいね。

 

 

タンパク質の消化の仕組み

私たちの体では、常に新陳代謝が行われていて、古いタンパク質が新しいタンパク質に生まれ変わっています。

さてではどのようにタンパク質からカラダを作っているのでしょう?

 

まず、私たちが食事でタンパク質(肉、魚、卵、大豆など)を食べると、胃の中でペプシンという消化酵素に分解されます。
タンパク質の多くは20種類のアミノ酸が百〜数千個繋がっている状態なので、ペプシンは、ハサミのようにアミノ酸のつなぎ目を切断して、バラバラにしていきます。
大体胃で分解されると、今度は十二指腸や小腸に向かい、そこでもトリプシンやキモトリプシンなどの消化酵素によってさらに分解されます。

 

そうして、分解されたタンパク質は、2〜3つの小さな繋がりがあるくらいの「ペプチド」という形になります。こうなって初めて、タンパク質が私たちの体に取り込まれることになります。

その後は、血液によって各細胞に運搬されていくのですね。

 

 

 

このようにタンパク質はアミノ酸に分解された形で、血漿や筋肉、各臓器に分布されると、体がアミノ酸を必要としたときのために、すぐ供給できるようアミノ酸をストックしておきます。これを「アミノ酸プール」と呼びます。
体内のアミノ酸が低下すると速やかに供給され、逆に過剰なアミノ酸が供給された場合には速やかに分解されるシステムになっているのですね。

 

 

DNAは私たちのカラダを作るレシピ

さて、ではこのアミノ酸がどうやって私たちの体のタンパク質になるか、その仕組みをお話しますね。

アミノ酸は「トランスファーRNA」という運搬役によって各細胞に運ばれます。そして細胞の中の「リボゾーム(rRNA)」という工場でアミノ酸から体のタンパク質を作ることになります。
この工場では、ヘモグロビンや臓器など各タンパク質を作る為に、その人独自のDNAに基づいてアミノ酸を順序通り繋げていく作業が行われるわけです。

 

人間のカラダってすごいと思いませんか?

 

このDNA情報はいわゆる自分の体を作る「レシピ」でもあるわけですね^^。
同じお肉を食べても、人は人になって、ライオンはライオンに、同じ野菜を食べても人は人、そしてキリンはキリンです。
その秘密がこの「DNA」なのです。

1958年、フランシス・クリック博士が「タンパク質の形はDNAによって決まる」と唱えました。私たちの体を作る十万個のタンパク質は、20種類のアミノ酸が「どの順序でつながるか」によって決まります。
そのレシピがDNAに書かれており、それがまさに「遺伝子」なわけですね。

そしてその中には、骨を作るためのレシピ、ホルモンを作るためのレシピ、血液を作るためのレシピがあり、遺伝子とは私たちが親から受け継ぐ「人の体を作るためのマニュアル」なのです。ライオンにはライオンの、シマウマにはシマウマのそれぞれ異なるレシピがあり、それに習って20種類のアミノ酸が異なるタンパク質を作っていきます。

だから食事で同じ食べ物を食べても結果として違う生物になるのです。
筋肉、爪、髪、内臓、血管、血液、肌、骨など、人の体の大部分は食事から摂取したタンパク質からこのようにレシピに基づいて作られるわけです。

 

 

ちなみに細胞の核の中にあるDNAに保管されている遺伝子情報は厳重におさめられているので、そう簡単に持ち出せません。
リボゾームというアミノ酸を合成していく工場は核の外側にあるので、核の中の遺伝情報をなんとか工場に持ってこなければならないわけです。

 

そこで「メッセンジャーRNA」というものが登場します。

メッセンジャーRNAは、DNAにあるレシピ本の必要なページだけをコピーしてリボゾームまで運んでくれる役割をしていて、そのコピーした遺伝情報に基づいて、リボゾーム工場でアミノ酸が順序通りに並んでいくわけです。

 

難しい名前も出てきましたが、小さい細胞の中でアミノ酸を運ぶ役割を持った「トランスファーRNA」、アミノ酸からカラダのタンパク質を作る「リボゾーム」、そしてDNAの遺伝情報をコピーしてくる「メッセンジャーRNA」が活躍し、アミノ酸からカラダの各部分を作り出しているのですね。

 

 

なんともミクロな話ですが、こういった話はわかるとけっこうおもしろいものです^^。

 

 

K.K.

 

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