今日は実際、逆流性食道炎で私のところに来た患者さんのケースを少し紹介しましょう。

 

この方は、以前から「慢性的な肩こり」で私のところへ通ってくださっている方でした。あ る日の治療で、大分胃の調子が悪いとのことだったので、お話を聞いてみると、ここ1週間ほど胃が痛むことが多く、食べると気分が悪くなるので食欲もないと のこと。また喉の奥で少し詰まる感じがあり、ゲップもよく出るとのことでした。そしていつもの肩こりも出現していました。

 

 

 

逆流性食道炎の背景には・・・

早速、食道や胃、横隔膜の状態をチェックしていくと、食道と胃の境(横隔裂孔部)にかなりの緊張感が見られ、上に押し上げるようにすると大分痛そうでした。

横隔裂孔ヘルニアの兆候がみられるので、ベットの上に仰向けに寝てもらい(その際は胃より食道が高くならないよう胸部を少しあげています)、首を右上の方に向け、食道を(口~胃部分まで)ストレッチするようにしました。
その後、横隔膜部から食道と胃の接合部を押し下げるように引っ張り、ゆっくり呼吸をしてもらい、さらにその状態で咳をしてもらったり、手の素早い押圧で横隔裂孔部を引き下げるようにしました。

この治療で大分胃の辺りの緊張感はなくなり、肩の張りもとれました。
横隔裂孔ヘルニアでは、肩の張りも出てくるのでこれは不思議なことではありません。
本人に聞いてみると、驚くほど肩こりが楽になったとおっしゃっていました。

最後に、横隔膜に影響を与える左右の大腰筋(下腹部の筋肉)のバランスのチェックと治療はしっかりと行い、
胃の痛みや食後の気持ち悪さは「逆流性食道炎」で起こっていること、食事中の姿勢はなるべく背筋を伸ばすこと、食後一時間は横にならないことなどをお伝えしました。
またこのまま症状が治まれば、特に問題はなく、それでももしお医者さんに行ったら胃酸を抑える薬をもらいますよとお話しました。その後すぐに胃の痛みや気持ち悪さはなくなり、食欲も出てきたそうですが、念のため病院に行ったようで、案の定、胃酸を抑えるお薬をもらったそうです。

 

 

今日のpoint

今回の胃の痛みの原因は、「横隔裂孔ヘルニアのせいで、胃酸が逆流していたこと」でした〜。

横隔裂孔ヘルニアや逆流性食道炎は、胃の痛みと似ているのですぐに胃薬を飲んでしまう人が多いですが、このテーマでお話してきたような兆候が当てはまる人は、「逆流性食道炎」かもしれません。それ自体はそんなに重症な疾患ではないのですが、「横隔裂孔ヘルニア」の場合は、首や胸に広がる痛みや肩の張り、気持ち悪さ、お腹の張りなど非常に不快な症状を伴うことがあるので、心辺りのある人は早めに専門医に診てもらうといいですね^^。

 

最後に私がこの「逆流性食道炎」を臨床でみる方のほとんどに、糖質の取り過ぎか食物過敏症による消化不良があることがほとんどです。逆に言えばこういったことによる消化不良によって逆流性食道炎が起こると言っても良いかもしれません。
逆流性食道炎の症状を抑えるということにばかりに意識がいきますが、自分の食生活を振り返ってみることも必要です。

 

 

K.K.

 

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