今日は、無呼吸症候群に対するおもしろい研究内容が、ワシントンの雑誌で発表されていた(2010.12.27)ので、それについて紹介します。

 

まず無呼吸症候群について少し説明しましょう。

無呼吸症候群とは、寝ている間に呼吸が止まる病気で、睡眠時にのどの筋肉が緩んで舌根が気道を塞ぐことなどで起こります。特徴は睡眠時の大イビキや、繰り返し起こる覚醒、日中の強い眠気。
放置すると集中力が落ちるだけでなく、脳血管障害や心疾患を引き起こしやすくなる怖い病気でもあります。

 

さて、今回紹介する研究は、舌のインプラント(人工的に動かす装置)が無呼吸症候群に効果を出せるかを検討したものです。
舌のインプラントと聞いても想像できないかもしれないですが、舌に直接ペースメーカーをつけるもので、ピッピッと舌に刺激を入れてることで、気道を確保することができるかどうかを実験したわけです^^。

通常、無呼吸症候群の人は、睡眠中「舌で気道を30秒以上閉じてしまい、それによって息が詰まったことで、急に身体をふるわせて空気を吸う」こういった動作を1時間に30回以上行う場合もあると言われています。
そこで、舌の裏にある神経に微弱な電流によって刺激を与えることにより、舌に若干の緊張状態を作り、キュッと引き締まった状態にすることによって、無呼吸症候群が改善できないかどうかを見ていったわけです。

これは、面白い研究ですね。

 

この研究をある人物に試してみました。
その方は、無呼吸のせいで、1時間に35回も起きるほど。
またCPAPという鼻に空気を送る管をつける治療を受けたのですが、すでに5回も失敗しており、外科にももう打つ手がないと言われていました。

この方に、ペースメーカーを舌下神経につけ、横隔膜につけたセンサーが呼吸のリズムを感知して舌下神経を刺激するようにしたところ、心地よい睡眠が得られたようなのです!
当人はこの装置によって「やっと人生が変わった」とまで言っているそう。

これはすごい!

 

ちなみにこの装置、患者さんは寝るときにリモコンでつけることができ、タイマーの機能もついているとこのこと。

 

実験はまだ始まったばかりで、これからどうなっていくのかわかりませんが、無呼吸症候群で悩む人は多いので、興味深い研究です。
統計的にはアメリカでは、1200万人の人が無呼吸症候群を患っていると言われており、大体、肥満で中年太りの人によく見られます。

先ほど出てきましたが、近年では、鼻に空気を送る管をつけるCPAPという治療が主流。しかし、残念ながら現状では、30%の人がCPAPでは効果が出なかったという結果になっています。
マスクがちゃんとつかない、もしくは空気がもれる、口が閉じられていて閉所恐怖症が出る、寝ているときにはずれてしまうなど、うまく治療が合わない人がたくさんいるのですね。

軟部組織を取り除くような治療もあるのですが、本当にひどい人に対してしか行われていません。

 

もしかしたら、こういった方達に対して今回の研究で行われた舌下神経への刺激の装置は、役立つかもしれません。

無呼吸状態は、カラダに様々な悪影響を及ぼします。
この状態が続くと、高血圧、心臓発作、脳梗塞、糖尿病にもつながってしまうと言われています。
また運転中に寝て、呼吸が止まってしまうことが原因で、交通事故も起こしやすく、現代のデスクワークや配送業の方にとってはまさに大問題です。

これから研究が進み、無呼吸で悩んでいる人も快適な睡眠がとれるようになることを期待したいものです^^。

 

 

K.K.

 

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カイロプラクティックは、薬は使わず手だけで身体の治療をするアメリカ生まれのヘル
スケアです。
みなさんに知られているような筋肉骨格系の治療はもちろん、カイロの中の一つの学問
アプライドキネシオロジーでは、自律神経や内臓、ホルモン、神経、栄養のアンバラン
スをチェックし、それに対する治療を行うことができます。
アメリカではまさしくプライマリーケアとして認められ、準医師として統合医療の一翼
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参考:

Experiments Test if Implant Can Block Sleep Apnea

December 27, 2010

WASHINGTON (AP) – Loud snoring may do more than irritate your spouse: It can signal sleep apnea, depriving you of enough zzzz’s to trigger a car crash, even a heart attack.