Supplement

現代人の食生活は、カロリーの摂り過ぎ、微量栄養素(ビタミン・ミネラル)の不足など、多くの問題をはらんでいます。中でもビタミンやミネラルの摂取不足は問題が大きく、どちらも、細胞の新陳代謝やエネルギー代謝に関わる補酵素として不可欠で、不足すると体の代謝システムの働きに支障をきたします。

日本の食卓の「欧米化」は著しいのですが、この影響で、日本人の食生活は動物性タンパク質・脂肪、白砂糖の過剰摂取という問題を抱え込むことになりました。また加工食品が多用されるようになり、食事から摂れるビタミン・ミネラル、食物繊維の量も減少しています。その他、食材自体の栄養価の低下も深刻です。化学肥料や農薬、抗生物質や成長促進剤の多用によって食材は栄養的に非力になっただけでなく、健康への危険性もはらんでいます。また加工食品やファーストフードにみられる食品添加物の問題も大きなところでしょう。

1977年、米国の栄養問題特別委員会が上院議会に提出した有名な「マクガバンレポート」は「現代病は食源病である」と断じています。食生活の問題が深刻化するのと軌を一にして、社会のストレスもますます増大しています。ストレスは多量のビタミンを消費するので、ストレスに負けない体を作るためにもビタミンの補充は大切になります。

 

サプリメントはこういった背景の中で、今日広く用いられるようになりました。

サプリメントという言葉は、もちろんアメリカからやってきた言葉ですが、supplement(追加、もれているものを拾い補うこと)の意味です。これは類語のcomplementという言葉が不足や欠乏に関係なく追加するのに対して、「補充」という意味が含まれていることを理解しておきましょう。

アメリカでいうサプリメントとは、おなじみのビタミンやミネラル、ハーブやファイトケミカル(植物性化学物質)、乳酸菌、アミノ酸など、なんらかの機能性成分を抽出・濃縮して作られたもので、錠剤やカプセル、粒状、顆粒状などのクスリの形をしたものを、そう呼んでいますが、日本ではこの定義はあいまいで、抽出せずに自然成分のままだったり(プルーン、卵油、ニンニク、青汁など)、成分強化食品としてジュースやお茶(ブルーベリージュース、ギムネマ茶、サラシア茶など)のような形態のものをサプリメントととらえている場合があります。

 

このように一口にサプリメントといってもさまざまで、私たちのからだになくてはならない不可欠な栄養素であるビタミンやミネラルや、さまざまな意味や目的別に使用されるサプリメントがあります。

特にビタミンやミネラルは、21世紀の現代を生きる私たちにとってサプリメントで補給すべき大切な栄養素になりました。

その昔はビタミンやミネラルというと、欠乏症を起こさない程度に必要なもので、欠乏症を起こしたときにクスリとして補給するもの、という位置付けでした。しかし、現代は食事の欧米化や偏食化により、カロリーだけは高いのに、それに見合うだけのビタミンやミネラルが摂れないという栄養アンバランスな状態に陥っているわけです。そしてそうした食習慣のツケが蓄積されて、生活習慣病へと進行していっているケースも多いのです。まさにこれが豊かな食事の落とし穴です。

こういった中で、ふだんの食事で足りない栄養を補うものとしてサプリメントを上手に利用するというのは、よりよく生きていくためのひとつの生活の知恵だろうと思います。

 

もちろんサプリメントを摂る前に、自分の食生活を見直すことも非常に重要です。サプリメントで栄養をしっかり摂っていれば、食事は要らない、あるいは適当で良いと考えている人はいませんか?

ビタミンやミネラル、植物科学物質などの栄養素はすべて食べ物に含まれています。まずは、炭水化物、脂質、タンパク質と同様、自然な食べ物から摂取するのがベストでしょう。

今の世の中には多種多様のサプリメントが出回っていて、一日に何種類も摂っている人は決して少なくはないと思いますが、まずは、自分の食生活を考えて足りない栄養素を多く含む食べ物を摂るようにし、それで足りない場合にサプリメントの活用を考えるべきだと思います。

サプリメントはとても便利なものですが、日常の基本的な栄養バランスに配慮しながら、「食の補完」として摂るものなのです。

 

さて、私たちが自分に必要なサプリメントを選ぼうとするとき、何の知識もなければ、ただ人任せやマスコミの情報流されて摂ることになりかねません。これでは場合によってはお金と健康をムダにしてしまうことにもなりかねないのです。

またサプリメントを摂るときは、その背景と目的をしっかりと明確にすることが重要です。日本では一般向けに目的もなく良いものを合わせたサプリメントが売られており、消費者も身体に良いからという理由だけで摂取する人が多いですが、それでは何も意味を成さないこともあります。アメリカでははっきりとした目的にあわせたサプリメント選びが行われていますが、日本ではそれに対する知識や情報も不足しているのかもしれません。

Chiropraticaでは現代の栄養不足を補うサプリメントの知識を、少しでもみなさんに紹介できたらと考えています。

 

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