今日は、肩の痛みのケースを紹介していきます。

ちょっと珍しい症例かもしれません。この方(60代女性)は、1ヶ月程前に駐車場のコンクリートの上で転んでしまい右肩から落ちたことで、肋骨を骨折されていました。その後、整形外科から接骨院、針などで治療するにつれ、肋骨や痛みは大分良くなったものの、肩の可動域がなかなか改善せず、今回カイロプラクティックの治療を受けにいらっしゃいました。

 

 

肩を丸めた姿勢が大きな問題に!?

検査をしていくと、たしかに肩を横から上げていくような動作が90度くらいで痛みが出始め、一番上までは到底上がらないような状態でした。また肩を後ろに持っていく動作にも制限がありました。
次に筋肉をチェックしていくと、肩を上げる筋肉がほぼ筋力低下しており、特に肩を包むようについている三角筋はまったく力が入らないようで、持ち上げることができないくらいでした。また肩を捻っていく筋肉や肩甲骨周りの筋肉も弱っており、これは特に肩を丸めた姿勢で顕著でした。逆に胸を張って肩を後ろにしていると筋力が発揮できたのです。

 

初回の治療では、痛めた肋骨周りに付着している胸の筋肉の圧痛を取り除くように筋肉を緩めていきました。この治療によって大分胸が反らせるようになり、肩も後ろへ持っていけるようになりました。
ただ、肩の可動域は改善して、肩周りの筋肉は力が入ってきたものの、肩を上げていく動作で使う筋肉がどうしても力が入らないので、2回目の治療ではテーピングで補強しました。そして肩を丸めることで、肩甲骨に付着する筋肉に関わる肩甲上神経が引っ張られ、筋力低下が起こっている(肩甲上神経絞扼障害)ようだったので、なるべく胸の筋肉の癒着しているような部分を取り除き、肩の関節や肩甲骨に関しても後ろに反らせるように動きをつけていきました。

 

これらの治療で、大分筋肉が使えるようになり、ご本人も改善したことを自覚されていました。このケースについてはまだ継続して治療中で、もう少し正しい姿勢をキープし、筋力が正常に発揮できるところまで続けていきたいと思っています。

 

 

今日のpoint

今回の肩の痛みの原因は、「転倒して肋骨と胸の筋肉を痛めたことでそれを防御するような姿勢(肩を丸める姿勢)を長期で余儀なくされたこと、そして肩を前にしていることで肩甲骨上を走る神経に過度のテンションがかかり、その支配している筋肉に筋力低下が表れたこと」でした~。

今回のケースのように、肩を痛めたケースから2次的な問題が起こることは少なくありません。また中高年の方はとくに怪我をした後に動かないことで、その周りの関節や筋肉は固まって癒着しやすい傾向にあり、2次的な問題も起こりやすいと言えます。

よくあるのは、こういった怪我からの五十肩などですね。
今回のケースも通常なら、常に肩を前にしているようなデスクワークの方やバイクを運転している方などに起こりやすい問題ですが、怪我をしたことによる防御姿勢から2次的な問題が発症したケースでした。

 

 

K.K.

 

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