今日は、手の痺れで悩んでいた患者さんのケースを紹介していきましょう。

 

この方(30代女性)は、何年も前から、慢性的な肩こりを持っていて、1ヵ月程前からとくに思い当たる原因はなく左手の指先が痺れを感じるようになったそうです。何もしていない時はたいしたことはないそうですが、運転時や何か細かい作業(裁縫など)の時は指先が痺れ、若干左手の方が冷えを感じるという。また肩こりも右よりは左の方が強いということでした。

 

 

2箇所で神経を圧迫することも!?

まず血流の検査を行うとやはり左手の方が冷たく、また血流も悪くなっていました。その原因を探っていくと左胸筋の過緊張でその下を通っている神経・血管を圧迫してしまうような状態(胸郭出口症候群)がみられました。またその他、左手の手首のところの骨の変位がみられ、それにより正中神経(手の平や指を支配している)を圧迫しているような状態でした。

肩こりに関しては、慢性的になっているので、背中の関節や上部頚椎などが非常に固くなっていました。

 

さて、このケースは2ヵ所での絞扼がみられ、それぞれ違った原因なので、各々に対して的確な治療を施すようにしました。

胸筋に関しては、肩の関節の動きをよくして筋繊維の緊張を取り除くように筋肉の硬い部分を念入りに押しながら治療をしました。また手首については、骨の変位を直すように治療を行うとともに腕の筋肉を緩めるような操作を行いました。治療後、痺れはなくなり、血流も回復したようです。また肩こりに関しては、首から背中までの関節の柔軟性が大分落ちていたので、治療もある程度の時間がかかりそうです。

日常生活では、なるべく胸の筋肉のストレッチをしてもらうように指導し、手首や肘の角度をあまりつけないよう注意してもらうように言いました。

 

 

今日のpoint

手の痺れの原因は、「胸の筋肉の過緊張による神経・血管圧迫、そして手首の辺りの骨変位による神経圧迫と2か所で絞扼を受けていたこと」でした~。

手の痺れと言っても、今回のケースのように2ヵ所で絞扼されてしまうことがあります。ホースを想像してもらうとわかりますが、1ヵ所で絞扼されると通れる水の量は少なくなるので、違う部位での絞扼が起こりやすくなるのですね。

こういう場合はより重篤になることも多く、早めに診察を受けることをお勧めします。また今回は頸部の神経根の問題はなかったのですが、頸部の問題が関わっていると、治るのにさらに時間がかかることになります。

 

 

K.K.

 

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